子宮がんについて

子宮頸がんとは

子宮の入り口にできる悪性の腫瘍(がん)で、1970年代までは日本女性のがん死亡原因の第2位(当時、胃がんが1位)を占めていました。その後、子宮がん検診が始まり、子宮がんで亡くなるヒトは減少して
いましたが、最近、子宮頸がんは、若いヒトを中心に再び増加して、20〜30歳代の日本女性に発生する悪性腫瘍の第1位を占めるようになりました。現在、年間15,000人以上のヒトが子宮頸がんに罹患し、
約3,500人のヒトが亡くなられています。

日本における20〜29歳の女性の10万人当たりの各種がん発症率推移
  • 子宮頸がんは大きく扁平上皮がんと腺がんの2種類に分かれます。頸がんの多くは扁平上皮がんです。扁平上皮がんはがんになる前に、前がん病変(異形成といいます)の段階があり、約5〜10年の
    期間でがんになるといわれています。
  • 異形成は軽度・中等度・高度の3段階に分かれます。とくに軽度の異形成の段階では多くは自然治癒をして、約3〜5%が中等度・高度の異形成やがんに進行します。このため、異形成が見つかると3〜6ヶ月ごとの定期検診が必要です。
  • 子宮頸がんの発症には、生活環境(喫煙など)、ホルモン環境(長期間のピル服用など)、出産回数、
    免疫抑制などの危険補助因子とともにヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が関与しています。
子宮頸がん

子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)

ヒトパピローマウイルス(HPV)とは

  • HPVはパピローマウイルス科のパピローマウイルス属の造腫瘍性のウイルスです。
  • ヒトに感染する型は100種類以上が特定されており、30〜40種類の型が性的な接触などによって感染します。
  • これらのうち、約15種類が発がんに関与(ハイリスクHPVと呼ばれています)し、子宮頸がんを
    引き起こす原因の可能性があります。
  • 発がん性のHPVのうち、16型と18型が最も検出頻度が高く世界的には約70%の子宮頸がんから検出されます。
ヒトパピローマウイルス

ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染すると、必ず子宮頸がんになるのでしょうか?

  • 100万人の女性がHPVに感染していると仮定しますと
    ・10万人の女性が前がん状態(子宮頸部異形成)に進展します。
    ・8,000人の女性が上皮内がん(0期の子宮頸がん)に進行します。
    ・異形成や上皮内がんが未検出のまま治療を受けないでいると、1,600人の女性が子宮頸がん(浸潤がん)に進行します。
  • 高頻度に検出されるハイリスクHPVの感染から、子宮頸がんに進行するケースは、
    比較的まれです。
  • HPV感染の80%以上が一時的かつ無症候性で、自然に消失します。

子宮頸がんとヒトパピローマウイルス感染は・・・・

  • 子宮頸がんのほぼ100%にHPV感染を認めますが、HPV感染が必ず子宮頸がんを発症させる
    わけではありません。
  • HPVは通常の性行為により誰にでも感染し、特別な感染ではありません。性交経験のある
    女性であれば、70〜80%の女性が生涯に一度は感染します。
  • HPV感染の多くは、無症状で自然消失しますが、一部のHPVが持続感染をして異形成(前がん病変)を発生しま す。
そこで、定期的な子宮頸がん検診を受けることで仮に異形成が見つかっても早期発見、
早期治療が可能となります。

ヒトパピローマウイルス(HPV)予防ワクチン

ヒトパピローマウイルス感染を予防するワクチンは、平成25年4月より厚生労働省から
定期接種が承認されています。

  • HPV予防ワクチンは、感染前にワクチンを接種してHPV感染を防ぎ、子宮頸がんの発生を阻止
    します。ただし、すでに感染したHPVや子宮頸部病変への治療効果はありません。
  • HPV予防ワクチン接種が広範に行われることで、子宮頸がんの発生が約70%減少させることが
    期待されています。その結果、女性の健康保持だけでなく医療費は大幅に抑制されます。
  • 対象:小学6年〜高校1年に相当する女性。HPV感染前が有効で、しかも接種後のHPV感染
    予防の抗体価も若いヒトほど高いことがわかっています。
    また、17〜45歳の女性も第2接種対象ワクチン接種(キャッチアップ接種)を推奨します。
  • HPV予防ワクチンの種類
    2種類が承認されています。

    ■2価ワクチン(サーバリックス)
    用法・用量・接種スケジュール

  • *2価HPVワクチン:HPV16型・18型感染を予防します。
    *1回接種量 0.5mlを合計3回(初回接種、1ヶ月後、6ヵ月後)、上腕三角筋部に接種します。
    *接種間隔の変更;初回と2回目の間は最低4週間、2回目と3回目は最低16週間の間隔を置く。
    *10歳未満の女児に対して接種は許可されていません。
    ■4価ワクチン(ガーダシル)
    用法・用量・接種スケジュール
    *4価HPVワクチン:HPV6型・11型・16型・18型感染を予防します。
    *1回接種量 0.5mlを合計3回(初回接種、2ヶ月後、6ヶ月後)筋肉内注射。
    *2回目接種は、1回目接種から少なくとも1ヶ月以上、3回目接種は2回目から少なくとも3ヶ月
    間隔を置いて接種する。
    *9歳未満のワクチン接種は認可されていません。

  • ワクチン接種の注意点
    *ワクチン成分に対する過敏症またはアレルギーを有する者には接種しない。
    *ワクチン接種後の管理: 失神発作(血管迷走神経性反応または血管拡張性失神)を起こす
    ことがあり、立位の接種は避ける。接種後、少なくとも30分間の観察、接種後24時間は過激な
    運動は避ける。入浴はよいです。
    *生ワクチン(麻疹、風疹、水痘など)の接種を受けた者:通常、27日以上の間隔を空けて
    接種します。
    *不活化ワクチン(インフルエンザ,A型肝炎,B型肝炎など)の接種を受けた者: 通常6日以上の間隔をおいて本剤を接種します。

  • 主な副反応
    *ワクチン接種後7日間に生じた局所の副作用: 疼痛 99.0%、発赤 88.2%、腫脹78.8%
    *全身性の副反応:
    疲労 57.7%、筋肉痛 45.3%、頭痛 37.9%、 胃腸障害(悪心、嘔吐、下痢、腹痛など) 24.7%、
    関節痛 20.3%、  発疹 5.6%、蕁麻疹 2.6%など
    局所症状は大部分が軽度から中等度で3回接種スケジュールへの影響は少ない
    *まれに重い副反応があります

病気の名前 主な症状 発生頻度
 アナフィラキシー  呼吸困難、蕁麻疹などの
 重いアレルギー
 1/96万接種
 ギラン・バレー症候群  両手・足の脱力感などの
 末梢神経異常
 1/430万接種
 急性散在性脳脊髄炎  頭痛、嘔吐、意識低下などの
 脳神経症状
 1/430万接種
 複合性局所疼痛症候群  外傷をきっかけとした
  慢性の痛み
 1/860万接種
  

                                   (厚生労働省ホームページより)

  • HPV予防ワクチン接種しても、子宮頸がんの発生をすべては予防できません。
定期的な子宮頸がん検診は今後も重要である。

HPV予防ワクチンの接種について、詳しい説明を希望される方は当クリニックにご相談してください。

子宮体がんとは

子宮体がんは子宮の内腔(子宮体部といいます)に発生する悪性腫瘍(がん)で、50歳代以上の高齢な
ヒトに多く発生します。しかし最近は日本女性の生活様式の変化にともない、40歳代でも年々増加しつつあり、年間約5,000人のヒトが罹患して、約1,000人のヒトが亡くなられています。
子宮体がんは、同じ子宮にできる子宮頸がんとは全く性質の異なるがんで、ほとんどが腺がんといわれる種類のがんです。不正性器出血(とくに閉経後など)、無月経や排卵障害を伴う月経異常、出産経験のない方や、ホルモン療法、肥満、高血圧、糖尿病のある方はリスクが高いといわれています。
診断は、子宮内膜の細胞診と組織診、超音波検査などで行いますが、不正性器出血を契機に発見
されることがあり、少量でも不正出血があれば、すぐに受診されることをお勧めします。

子宮体がん
2017/8/1
中国新聞(平成28年1月18日朝刊)に「性感染症 若い世代で増加中」が掲載されました。

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