結婚をひかえている人、将来的に結婚を予定している方が、妊娠や分娩を妨げる婦人科的な問題がないかをあらかじめチェックするものです。最近では、雑誌などでも多く取り上げられ結婚前の大切な準備のひとつになっています。
もちろん既婚の方も受診していただけます。
【注意】
女性の妊娠可能時期は限られていますので、妊娠を希望されている方はリスクを減らし、
異常があれば早期発見・早期治療することで安心材料を増やしておくことが大切です。
ただしこのブライダルチェックは、妊娠できるかどうかを判断するものではありません。
◆基本コース
・問診
・血液検査(風疹抗体検査、梅毒)
・膣分泌液検査(クラミジア検査、淋病検査)
・経膣超音波(子宮・卵巣検査)
・乳腺エコー(乳腺の検査)
◆オプション
・膣分泌液検査(カンジダ・トリコモナス等の細菌検査含む)
・女性ホルモン検査(FSH、LH、E2)
・乳腺ホルモン検査(プロラクチン)
・腫瘍マーカー(CA125)
・子宮がん検診(子宮頸部細胞診)
・HIV検査(HIV)
・トキソプラズマ(トキソプラズマIgM抗体)
・甲状腺ホルモン検査(TSH)
※基本コース、オプションの料金については、お問い合わせください。
病院での診察や検査の結果は2週間以降に外来にて説明させていただきます。
予約をとってお帰りください。
万が一疾患が見つかった場合、精査や治療が必要になることがあります。
その際は保険で治療が可能ですので、早めに受診してください。
子宮頸がん検診は、20歳から検診を受けるようになっていますが、日本での受診率は約20%と
諸外国に比べて大変低いのが現状です。
最近、20歳代、30歳代の若い女性の子宮頸がんや前がん病変(異形成といいます)が増加して
おり、若い年齢で頸がんにより亡くなる方も増えてきました。とくに初期の子宮頸がんは症状がなく、検診で見つかることがほとんどです。
検診は子宮の入り口(子宮頸部といいます)からブラシ・へらなどを使って細胞を採取する細胞診
にて判定します。非常に精度の高いがん検診であり、検査による痛みはありません。
細胞診で疑陽性以上(クラスIIIaまたはASC-US以上)と判定された方は、コルポスコピー(腟拡大鏡)による観察のもとに組織診(生検といいます)による精密検査を受けて診断されます。
子宮頸がんの予防には、HPV予防ワクチンの接種と定期的な頸がん検診の併用が大変有益です。また、仮に子宮頸がんと診断されても、初期の頸がんの場合は子宮の温存が可能です。
子宮体がんも、生活様式の欧米化に伴い増加しています。特に閉経後の不正性器出血、
月経異常を伴う不正性器出血などの症状があれば必ず体がん検診を受けてください。
体がん検診は、経腟超音波検査で子宮内膜の状態を観察した後、頸がん検診と同様に子宮の内腔(子宮体部といいます)から細胞を採取する細胞診で判定します。頸がん検診と一緒に受けることも可能です。細胞診で疑陽性以上と判定された方は、組織診による精密検査を受けることになります。
子宮がんの多くは、早期に発見されることで、比較的予後の良いがんであり、定期的に子宮がん
検診を受けることで早期発見、早期治療が可能ながんの一つです。
子宮がん検診は、女性の健康を守るうえで、大切な検診の一つです。必ず受けるように心がけて
ください。
月経は個人差がありますが、通常1か月の間隔で、子宮内腔から周期的に出血し、限られた日数で自然に止まるものです。
月経異常は日常の社会生活に支障をきたしたり、体調は良くても不安を招く原因となります。近年の女性のライフスタイルの変化(初経の若年齢化,結婚の高年齢化,分娩回数の減少など)に伴い、
月経異常に関係した婦人科疾患も増えています。治療法も多様化しています。
以下に月経異常の症状を紹介しますので、お悩みの方は相談も兼ねて診察を受けられることを
お勧めします。
月経がない状態で2つのケースに分かれます。
原発性無月経:満18歳になっても月経(初経)がないケース。思春期や閉経期が近づいてくると月経周期の異常が増えますが、短い間隔で起こった出血が
月経ではなく不正性器出血である可能性もあり、月経異常の症状があれば必ず診察を受けて
ください。
一般に、月経以外の性器出血は異常であり、不正性器出血とされます。この中には月経が
いつもとは違うと感じるとき、例えば月経量が多い・少ない、持続期間の長い・短い、開始時期がいつもと異なるなども、不正性器出血としてとらえられる場合があります。
不正性器出血が起きる原因は妊娠に関連するものを除くとホルモンの異常による機能性出血と、良性腫瘍、悪性腫瘍や炎症、外傷などによる局所の組織障害による器質性出血に大別され
ます。
不正性器出血でお悩みの方は、相談も兼ねて診察を受けられることをお勧めします。
月経困難症は月経に付随して起こる病的な症状で下腹痛が最も多く、腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、イライラ感、下痢、憂うつなどがあります。
若いヒトの月経困難症の多くは、器質的疾患が認められない機能性月経困難症です。腫瘍、
炎症、外傷などの器質的な疾患があれば、患者さんの状態を考慮したうえで対応する必要が
あります。 以下に、月経困難症を伴う代表的な、器質的疾患を挙げますので、月経困難症で
お悩みの方は、相談も兼ねて診察を受けられることをお勧めします。
本来、月経時に出血する部分の子宮内膜が、子宮筋層(子宮腺筋症といいます)、腹膜、卵巣
(一般にチョコレート襄腫と呼ばれています)などに入り込むことで、月経時の下腹痛、腰痛などの月経困難症の症状をおこしたり、癒着病変により不妊の原因となります。
子宮を構成している筋肉由来の良性腫瘍です。子宮内の筋腫ができた場所により、症状のある
筋腫、ない筋腫がありますが、一般に子宮の内側に近いものほど、症状が強く月経困難症の
ほかに、過多月経、不正出血、貧血、下腹部腫瘤、圧迫症状などを伴います。子宮筋腫は、
女性ホルモンが分泌されている間は増大する可能性があります。超音波断層検査で確認できる
ような子宮筋腫の有病率は約20%と報告されています。治療の方法と時期は以下のような項目を考慮して個別的に決定します。
無症状であれば、通常は待機的に観察しますが、症状があれば治療が必要となります。
子宮内腔に発生した腫瘤(ポリープ)で通常、過多月経、不正出血を伴う場合もあります。 経腟
超音波検査で描出されます。また、子宮内膜増殖症や悪性病変との区別も必要です。無症状の
ものは経過観察でよいのですが、直径1 cm 以上のもの、不正出血などの症状があるもの、
不妊を合併したもの、閉経後は、子宮ファイバースコープ検査と治療が必要です。
月経前症候群とは性成熟期女性の2〜6%にみられ、以下の症状があります。
精神的ストレスなどの心因性の反応やホルモン変化が背景にあります。
今後の対応として、程度の差はあれ、月経周期ごとに出現するものですから、社会生活を損なう
ことにもなります。この月経前症候群でお悩みの方は、相談も兼ねて、診察を受けられることを
お勧めします。
下腹痛の原因は妊娠性のものと、非妊娠性のものとに分けられます。妊娠性の疼痛は生理的な痛みと病的な痛みに分けられます。非妊娠性の疼痛は、月経周期に伴う痛み(機能性)と外傷、
炎症、腫瘍に伴う器質性の痛みに分類されます。
また、下腹痛は婦人科以外の疾患でも生じますので、その区別が必要です。下腹痛でお悩みの
方は、相談も兼ねて診察を受けられることをお勧めします。
性感染症は、性的接触により誰もが感染する可能性のある感染症です。性感染症は、生殖年齢にある若い男女のみならず国民の健康に害を及ぼし、母子感染により次世代へも影響します。
また、性器への障害をもたらすだけでなく、無症状のままいつの間にかまん延させることもあり
ます。
性感染症でお悩みの方は、相談も兼ねて診察を受けられることをお勧めします。
更年期障害は、閉経にあたり卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に
減少することで生じる女性特有の疾患です。閉経は平均50歳前後で迎えますが、閉経をはさんだ約10年間を更年期とよびます。
代表的な症状として、@のぼせ・汗、A肩こり、B頭痛、C不眠、D気分が沈むなどがあります。
身体的な症状だけでなく、精神的な症状がでることもあり、更年期障害でお悩みの方は、相談も
兼ねて診察を受けられることをお勧めします。
骨粗しょう症は、閉経後に発症しやすい疾患の1つです。骨量や骨密度は、閉経以降に急激に
減少して、閉経後10年間で約20%減少するといわれています。
これは、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、骨の代謝が悪くなることに加えて、加齢に
伴い腸からのカルシウム吸収の低下、活性ビタミンDの産生が低下することなどが原因と
考えられています。
閉経期の女性では、骨粗しょう症はとても身近で注意が必要な疾患ですので、ご心配な方は、
相談も兼ねて診察を受けられることをお勧めします。
代表的な女性の可逆的避妊法には
◆低用量経口避妊薬(ピル)
◆子宮内避妊具(IUD: 避妊リング)
などがあります。
ピルは避妊効果において、最も優れた方法で、排卵を抑制して理想的な服用での避妊失敗率は低く、安全性も高いとされます。一般的な服用(飲み忘れるリスクも含めて)の失敗率は約8%と
いわれています。また、ピルは副効用として月経困難症、過多月経などを抑える効果も期待され
ます。
子宮内避妊具(避妊リング)は、子宮内に装着して受精卵の子宮内膜への着床を阻害して避妊
効果を得る避妊法です。避妊効果は1年間挿入して妊娠する可能性が100人中0.6〜5人あると
いわれています。
避妊法でご相談される方は受診してください。
なお、ピル、避妊リングともに性感染症の予防効果はありません。
婦人科疾患に関する不安や疑問、今後の治療方針、手術による治療法、抗がん剤治療の選択と副作用の対策などで相談を希望される方は、ご連絡ください。
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